痛風と糖尿病の関係は?併発しやすい理由や予防のポイントについても解説

「痛風と糖尿病にはどんな関係がある?」
「痛風を放置するとどのような病気のリスクが高まるのか知りたい」
「糖尿病や痛風を予防するためにはどのような点に注意すべき?」

健康診断などで尿酸値が高いことを指摘されたり、痛風による痛みが生じたりしている方の中には、糖尿病との関係についてこのような疑問や不安をお持ちの方もいると思います。

痛風は、体の中で作られる尿酸という物質が血液の中にあふれた状態が続くことで生じます。

血液中の尿酸の濃度が高い状態を「高尿酸血症」といい、これを放置することで痛風が引き起こされてしまうのです。

体の中に過剰に溜まった尿酸が結晶化し、それが関節などに蓄積することで、激しい痛みを伴います。

これに対して、糖尿病はブドウ糖をうまくエネルギー源として消費できなくなり、血液の中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です。

体の中のブドウ糖は、膵臓のβ細胞から放出されるインスリンというホルモンが細胞にはたらきかけることによって取り込まれ、エネルギー源として消費されます。

しかし、インスリンの量が減ったり、インスリンの量が十分にある場合でも細胞へのはたらきが低下したりすると、ブドウ糖を消費することができなくなってしまいます。

これによって血糖値が高い状態が続くと、糖尿病を発症してしまうのです。

このように、痛風と糖尿病はまったく関係がないように思えますが、実際には併発してしまうケースも見られます。

そのため、痛風(高尿酸血症)から糖尿病を発症することがある一方、糖尿病が痛風(高尿酸血症)を引き起こすこともあるため、注意が必要です。

本記事では、痛風と糖尿病の関係性や痛風が引き起こすほかの病気などについて解説します。

痛風の原因となる高尿酸血症は生活習慣などの乱れによって引き起こされることが知られており、糖尿病も生活習慣や遺伝的要因などによって引き起こされます。

本記事では痛風(高尿酸血症)と糖尿病を予防するためのポイントについても合わせて解説していますので、健康診断などで尿酸値や血糖値が高いことを指摘された方の参考となれば幸いです。

なお、糖尿病で見られる主な症状や糖尿病と関連がある健康診断の項目については、以下の記事で詳しく解説しています。

1.痛風(高尿酸血症)と糖尿病が併発しやすい理由

痛風は、高尿酸血症を原因として生じることがあります。

高尿酸血症は、血液中の尿酸の濃度が7.0㎎/dLを超えると診断されることが一般的です。

体の中に尿酸が溜まってしまう原因としては、以下のものが挙げられます。

高尿酸血症に陥る主な原因

  • 尿酸が過剰に作られてしまい排出が追いつかない
  • 尿酸の量は多くないものの排出がうまくされずに溜まっている
  • 上記2つの要因が同時に起こっている

過剰に溜まった尿酸は水分に溶けにくいため、高尿酸血症の状態が続くと、結晶化して関節に蓄積していくことになります。

特に足の親指の関節に結晶が蓄積しやすく、何らかの理由で結晶の一部が剥がれ落ちると、体の中の白血球が異物と判断して攻撃し、その部分に炎症が生じます。

これによって、激しい痛みや熱感、関節の腫れなどが引き起こされるのです。

痛風発作では、立つことも歩くことも困難になるほどの痛みが起こることが一般的で、主に夜間に引き起こされることが多いです。

なお、尿酸値と血糖値には、相互関係があるといわれています。

そして、糖尿病と痛風が併発しやすいのは、厳密にいえば糖尿病と高尿酸血症が合併しやすいことに理由があります。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

痛風(高尿酸血症)と糖尿病が併発しやすい理由

  1. 肥満を原因として尿酸値の上昇と耐糖能異常が起こりやすくなる
  2. 高インスリン血症によって尿酸の排出量が低下する
  3. 痛風(高尿酸血症)と糖尿病の原因が共通している

順に見ていきましょう。

(1)肥満を原因として尿酸値の上昇と耐糖能異常が起こりやすくなる

尿酸値が上昇することで、「耐糖能異常」を引き起こす可能性が高まることが高尿酸血症と糖尿病が併発しやすい理由とされています。

耐糖能異常とは、血糖値が正常な範囲を上回っているものの、糖尿病と診断される基準を満たしていない状態のことです。

この状態を放置することで糖尿病を発症するリスクが高まるため、糖尿病境界型(糖尿病予備群)とも呼ばれています。

尿酸値は、一般的に体重が増加すると濃度が上がりやすくなり、体重が減少すると低下する傾向にあります。

これは、体重の増加による内臓脂肪の蓄積が尿酸を作り出すことを促すからです。

そのため、肥満の場合には特に高尿酸血症に陥りやすいことに注意が必要となります。

なお、肥満は体脂肪の蓄積によって引き起こされ、このことが細胞に対するインスリンのはたらきを妨げてしまうことが知られています。

これによって、肥満を伴う高尿酸血症の場合には、血糖値が下がりにくくなることで糖尿病を発症するリスクが高まることに注意が必要です。

高尿酸血症のすべてのケースで肥満を伴うわけではありませんが、高尿酸血症による痛風発作が生じている症例のうち20~50%ほどに耐糖能異常が認められることも報告されています。

このように、肥満という因子があることで、高尿酸血症と糖尿病の双方が生じやすくなることに痛風と糖尿病の相互関係があるといえるでしょう。

なお、糖尿病の境界型と診断される基準値や放置するリスクなどについては、以下の記事も合わせてご覧ください。

(2)高インスリン血症によって尿酸の排出量が低下する

糖尿病の中でも95%以上を占める2型糖尿病では、インスリンのはたらきが低下することによって、血糖値が高い状態が続くことになります。

血糖値が高くなると、血液がドロドロになり、体は血液をもとの濃度に戻そうとして、血管の外から水分を取り入れます。

しかし、血管の内部に取り入れられた水分は余分なものとして体の外に排出され、尿の量や回数が増加してしまうのです。

これによって、尿酸も排出されるため、一般的に血糖値が上昇すると尿酸値は低下することが知られています。

しかし、初期段階では膵臓のβ細胞のはたらきが低下していないことも多く、血糖値を下げるためにインスリンがさらに放出されます。

これによって、血液中にインスリンがあふれてしまう「高インスリン血症」という状態に陥ってしまうのです。

高インスリン血症に陥ると、体の中の尿酸がうまく排出されなくなり、尿酸値が高くなってしまいます。

これは、高インスリン血症によって、腎臓でのナトリウムの再吸収が促される結果、尿酸の排出が低下することに理由があるとされています。

そのため、2型糖尿病による高インスリン血症によって高尿酸血症が引き起こされることがあり、それが痛風を併発する原因となるのです。

また、糖尿病の進行・悪化につれて、徐々に血管が傷つけられると、腎臓のはたらきが低下してしまう「糖尿病性腎症」を引き起こすリスクが高まります。

糖尿病性腎症を合併すると、体に不要なもの(老廃物)を尿として排出するはたらきが低下してしまうため、尿酸が体の中に溜まりやすくなってしまうのです。

このように、糖尿病が原因となって尿酸値が上昇することがあり、それを放置することで痛風発作が生じるケースがあることに注意しましょう。

(3)痛風(高尿酸血症)と糖尿病の原因が共通している

痛風の原因となる高尿酸血症は、尿酸が過剰に体の中に溜まってしまうことで引き起こされます。

尿酸が過剰に溜まってしまう原因にはさまざまなものがありますが、尿酸を作り出す材料となるプリン体を多く含む食品を過剰に摂取することも原因として挙げられます。

具体的には、魚卵や干物、レバーなどの内臓、牛肉や豚肉などです。

また、アルコール飲料(特にビール)や清涼飲料水も尿酸の量を増やすことがあるため、注意が必要です。

このほか、以下のような生活習慣や要因を持つ場合には、高尿酸血症を引き起こしやすいことが知られています。

高尿酸血症を引き起こす主な原因

  • 食べすぎ
  • 過度な飲酒
  • 肥満
  • 加齢(主に30代以降)
  • 激しい運動の習慣がある
  • 水分をあまりとらない
  • 慢性的なストレスにさらされている など

激しい運動の習慣がある場合には、発汗量の増加によって体が脱水状態に陥ることが多いです。

これによって、尿の量が減り、尿酸がうまく体の外に排出されないことによって高尿酸血症のリスクを高めることがあります。

また、水分補給の頻度が普段から少ない場合にも、同様の理由で尿酸が体の中に溜まりやすくなってしまうことに注意が必要です。

なお、これらの中には、2型糖尿病を引き起こすリスク因子も含まれています。

特に食べすぎや肥満は血糖値の急激な上昇を招く要因となります。

また、加齢によってインスリンの量は低下していく傾向にあり、血糖値のコントロールが悪くなることで糖尿病を発症するリスクが高まることにも注意が必要です。

このように、高尿酸血症と糖尿病には発症の原因に共通点があり、そのことが併発しやすい要因といえるでしょう。

2型糖尿病を引き起こす原因やリスク因子、主な合併症などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

2.痛風(高尿酸血症)が関わるほかの病気

先ほども述べたように、痛風は高尿酸血症の状態を放置することで生じることがあります。

しかし、高尿酸血症を放置すると、痛風のほかにも、以下のような病気の発症リスクが高まることに注意が必要です。

痛風(高尿酸血症)が関わるほかの病気

  1. 尿路結石
  2. 腎臓病
  3. 動脈硬化

それぞれについてご説明します。

(1)尿路結石

高尿酸血症による痛風発作が生じた場合には、尿路結石が生じるリスクも高まります。

尿路結石は、尿の通り道である尿管や膀胱、腎臓などに尿酸の結晶ができることで発症します。

先ほども述べたように、痛風は尿酸が結晶化したものが関節などに蓄積することで起こるものです。

そのため、痛風も尿路結石も、体の中に溜まった尿酸が結晶化することによって引き起こされる点で共通しているといえます。

なお、結石が尿路のどの箇所でできるかによって症状の現れる場所や現れ方が異なるものの、激しい痛みを伴うことがほとんどです。

また、慢性的な腰痛や背中の違和感、血尿などの症状が見られることもあります。

結石の大きさが5㎜以下の場合には、十分な量の水分補給と生活習慣(食事と運動)の改善などを行うことで、自然と尿の中に排出されるケースも多いです。

しかし、結石の大きさが1㎝以上になる場合には、鎮痛剤や尿管を広げる排石促進剤などを用いた薬物療法や結石をレーザーなどで取り除く砕石治療が行われることがあります。

(2)腎臓病

腎臓病は、腎臓のはたらきが低下してしまう病気の総称です。

具体的には、腎臓の機能が正常な場合と比較して60%未満まで低下した状態をいいます。

慢性腎臓病(CKD)は、腎機能を示すeGFR(推算糸球体ろ過量)が60ml/分/1.73㎡未満で持続または蛋白尿などの腎障害所見が持続する状態です。

これは、正常な人のeGFRの基準値が一般的に90ml/分/1.73㎡以上とされていることから、60%程度低下している状態といえます。

腎臓は、体の中の老廃物を尿として排出するはたらきがあるほか、体の中の水分量や血圧の調整にも関わる臓器です。

高尿酸血症による痛風が生じている場合には、腎臓にも負担をかけてしまい、腎臓病を引き起こすリスクも高まることに注意が必要です。

これは、尿酸も腎臓を通って尿として排出されることに理由があります。

腎臓で尿が作られるときにも尿酸が血管を通ることで、徐々に腎臓の組織に尿酸が蓄積し、結晶化してしまうことがあります(痛風腎)。

そうすると、腎臓のはたらきが低下してしまうのです。

具体的には、老廃物を排出する機能が低下し、体の中に溜まってしまうことで炎症やむくみを引き起こすことがあります。

また、腎臓は血圧の調節にも関わるため、高血圧なども引き起こすこともあります。

なお、高尿酸血症と高血糖が同時に続いている場合には、糖尿病を発症するリスクも高まります。

そして、糖尿病による高血糖が腎臓の血管を傷つけ、腎臓のはたらきを低下させることもあるのです。

腎臓の機能が低下した状態を放置することで、さらに腎臓病が進行・悪化し、慢性腎不全に陥ると、腎臓のはたらきをもとに戻すことが困難となります。

そうすると、老廃物を排出することができなくなり、人工透析による治療を行わなければならない事態に陥るため、注意が必要です。

このように、高尿酸血症を放置することで、痛風や糖尿病を引き起こすリスクが高まるだけでなく、腎臓病を発症する可能性があることにも注意しましょう。

(3)動脈硬化

動脈硬化は、太い血管である動脈の内側にコレステロールなどの物質が沈着して血管がしなやかさを失った状態を指します。

高尿酸血症や痛風によって、動脈硬化を引き起こす可能性が高まることにも注意が必要です。

尿酸値が高い状態は、血管の中の壁の機能を弱くしたり、酸化ストレスや炎症を引き起こしたりして、動脈硬化と関連するとされています。

そうすると、血管の内部にできた傷に血液の成分が沈着し、血管が内側から硬くなってしまうのです。

なお、痛風腎が引き起こされると、腎臓のはたらきが低下し、血圧の調整ができなくなることがあります。

これによって高血圧が加わると、動脈硬化も進行・悪化するリスクが高まることに注意が必要です。

動脈硬化は自覚症状がほとんどなく、本人も気づかない間に悪化するケースが多く見られます。

血管の内部にできた沈着が大きくなると、血液が流れにくくなったり詰まりやすくなったりします。

これが心臓の冠動脈で生じると、狭心症や心筋梗塞などの病気を引き起こす可能性が高まるのです。

また、脳の血管で生じると、脳卒中を引き起こすこともあります。

このような心血管系の病気は、直ちに治療を行わなければ重篤な後遺症となる可能性もあり、場合によっては生命にも関わります。

そのため、動脈硬化を引き起こさないためにも、痛風の症状が現れた場合には直ちに専門の医療機関を受診して治療を受けることが重要です。

3.高尿酸血症や痛風の場合に受診すべき診療科

尿酸値が高いことを指摘された場合や痛風発作が生じた場合には、放置せずに適切な医療機関を受診することが大切です。

特に痛風による激しい痛みは、1週間~10日程度続くこともあります。

また、痛風発作が起こると、2~3日程度は立つことも歩くことも困難になるケースが多く見られます。

そして、痛風発作は放置することで再発し、繰り返し発作が生じることで痛みなどの症状が徐々に悪化していくことに注意が必要です。

もっとも、早期に適切な診療科を受診して治療を行うことで、痛みを和らげることができます。

また、痛風発作が起こること自体を予防することができる場合も少なくありません。

そのため、高尿酸血症や痛風発作が生じた場合には、以下のような診療科を受診するようにしましょう。

高尿酸血症や痛風の場合に受診すべき診療科

  1. 一般内科
  2. 整形外科
  3. 腎臓内科
  4. 内分泌科

順に解説します。

(1)一般内科

健康診断などで尿酸値が高いことを指摘された場合には、まずは一般内科を受診することを検討しましょう。

尿酸値が基準値を上回った場合でも、直ちに何らかの症状が現れるわけではありません。

しかし、放置することで痛風発作を引き起こすリスクが高まります。

そのため、痛風による痛みなどが生じていない場合には、尿酸値が高いことを指摘された時点で一般内科を受診することで、痛風を引き起こすリスクを抑えることにつながります。

特に尿酸値は食習慣などを改善させることによって、正常な範囲に戻すことが可能です。

また、生活習慣の改善によって長期的に尿酸値を安定させることで、痛風発作を予防することにもつながります。

なお、すでに痛風の症状が見られる場合にも、その原因を特定し、効果的な治療を受けるためにも、まずは一般内科を受診して検査などを受けることを検討しましょう。

(2)整形外科

痛風による痛みが強く出ている場合には、整形外科を受診することで痛みを和らげることが可能です。

特に痛風発作が続いている状態で痛みを和らげたい場合には、整形外科を受診することで応急処置を受けることができるケースがあります。

また、整形外科では、レントゲン検査や超音波検査などの検査を受けることが可能です。

痛風は足の親指の関節に炎症や激しい痛みが生じますが、そのような症状が現れる病気には、以下のようなものもあります。

痛風と類似した症状が現れる主な病気

  • 変形性関節症
  • 関節リウマチ
  • 軟骨石灰化症 など

整形外科を受診して検査を受けることで、痛みが生じている原因についても特定することができ、効果的な治療を受けることができるでしょう。

(3)腎臓内科

痛風のほかに尿路結石なども引き起こしている場合には、腎臓内科を受診することで専門的な治療を受けることが可能です。

特に痛風発作をすでに何度か繰り返している場合には、尿路結石のリスクも高まっているといえます。

また、残尿感や血尿などの症状が見られる場合には、尿路のどこかにすでに結石ができている可能性もあります。

尿路結石による症状を放置することで、腎臓にダメージが加わり、痛風腎を引き起こすリスクも高まります。

そのため、腎機能が低下してしまう前に腎臓内科を受診し、検査を受けることを検討しましょう。

(4)内分泌科

健康診断などで尿酸値のほかにも血糖値が高いことを指摘された場合には、内分泌科を受診して精密検査を受けるようにしましょう。

内分泌科は、ホルモンバランスの乱れによる病気の診断や治療を行う専門の診療科です。

血糖値が高い状態も続いている場合には、インスリンの量が低下していることやインスリンのはたらきが弱まっていることも考えられます。

また、高インスリン血症によって尿酸値が高くなっている可能性もあるため、原因を特定した上で治療を開始するためにも、内分泌科で精密検査を受けることがおすすめです。

痛風も糖尿病も、原因となる生活習慣の改善などによって、発症を予防したり症状を抑えたりすることができます。

もっとも、尿酸値や血糖値の上昇が見られる場合でも、初期には目立った自覚症状が現れないことがほとんどです。

しかし、その状態を放置することで、痛風や糖尿病、ほかの病気を引き起こす可能性が高まってしまいます。

そのため、尿酸値と血糖値の双方が基準値を超えている場合には、なるべく早期に内分泌科を受診することが重要です。

4.痛風や糖尿病を予防するためのポイント

生活習慣などの乱れによって高尿酸血症になると、痛風や糖尿病のほかにも、さまざまな病気を引き起こす可能性が高まります。

特に高尿酸血症と糖尿病はお互いに影響を及ぼすことがあるため、健康診断などで尿酸値や血糖値が高いことを指摘された場合には、生活習慣を改めましょう。

具体的には、以下のようなポイントを押さえることが大切です。

痛風や糖尿病を予防するためのポイント

  1. 尿酸の増加を抑える食習慣を心がける
  2. こまめな水分補給を心がける
  3. アルコールや清涼飲料水の摂取を控える
  4. 適正な体重を維持する
  5. 適度な運動量を確保する

これらは、高尿酸血症と糖尿病の双方を予防することにもつながるため、痛風を予防するためにも効果的といえるでしょう。

(1)尿酸の増加を抑える食習慣を心がける

痛風は、尿酸が体の中で蓄積することで引き起こされます。

そのため、尿酸が過剰に作り出されないような食習慣を心がけることが大切です。

尿酸は、プリン体という物質から作られるため、特にプリン体を多く含む食品や食材を過剰に摂取することは控えましょう。

プリン体を多く含む食品や食材には、以下のようなものがあります。

プリン体を多く含む食品・食材の例

  • 魚卵(たらこ、白子など)
  • レバー(特に鶏レバー)
  • 肉類(牛、豚)
  • 魚介類(サンマ、カツオ、イワシ、エビなど)
  • 魚の干物(特にイワシ、アジなど)
  • 干しシイタケ
  • ブロッコリー など

これらの食品や食材の過剰な摂取を控えることで、尿酸値の上昇とそれに伴う痛風を予防することにつながるでしょう。

また、尿酸の排出を促すような食品や食材をとることで、尿酸の蓄積を防ぐ効果も期待できます。

具体的には、以下のような食品・食材です。

尿酸の排出を促す食品・食材の例

  • 低脂肪乳製品
  • 玉ねぎ
  • トマト
  • ほうれん草
  • わかめなどの海藻類
  • 大豆製品
  • バナナ
  • ブルーベリー
  • グレープフルーツ など

尿酸は、尿の性質が酸性に傾くと尿酸が溶けにくくなり、尿路結石を引き起こす可能性が高まります。

そのため、血液や体液をアルカリ性に保つことで、尿の性質をアルカリ性に保ち、尿酸の排出を促すことにつながります。

特に野菜や大豆類、海藻類はアルカリ性の食品・食材であるため、意識的にとるようにしましょう。

なお、野菜や海藻類には食物繊維やミネラルが多く含まれており、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。

そのため、野菜類や海藻類を意識的に摂取することは、高尿酸血症や痛風を予防するだけでなく、糖尿病の予防にも効果的といえるでしょう。

もっとも、バナナやブルーベリーなどの果物には糖質も多く含まれているため、糖尿病の予防という観点からは摂取量を工夫する必要があります。

(2)こまめな水分補給を心がける

プリン体は、食事によって取り込まれる以外にも、体の中の細胞を形作る物質として、わたしたちの体の中にもともと存在しています。

そして、体の中の古い細胞が新しい細胞に作り変えられる新陳代謝という活動の中で使われ、尿酸となります。

そのため、食事に注意を払ったとしても、体の中ではプリン体が作られてしまうことに注意しましょう。

そして、体の中で作り出された尿酸が体の外に排出されなければ尿酸が溜まってしまうため、こまめな水分補給によって排出を促すことも大切です。

水分をこまめに補給することで、体の中の尿酸が尿の中に排出されるのを促進する効果が期待できます。

具体的には、1日に2ℓ以上の水分をとることを心がけましょう。

また、血糖値が上昇すると、血管の中に水分が取り入れられることで、体が脱水状態に陥ることが多いです。

そのような場合にも、十分な水分補給を行うことで、脱水を防ぐことができます。

(3)アルコールや清涼飲料水の摂取を控える

アルコールの中でもビールはプリン体を多く含んでいるため、過剰に飲むことは控えましょう。

また、アルコール自体に尿酸値を上昇させるはたらきもあります。

これは、アルコールが体の中で分解される際にプリン体が作られることや尿への尿酸の排出を妨げることに理由があります。

そのため、尿酸値を下げるためには、ビールはもちろん、アルコール自体の摂取量も制限する必要があります。

なお、ジュースやスポーツドリンクなどの清涼飲料水に含まれる果糖も尿酸値を上昇させるはたらきがあるため、注意が必要です。

そのため、尿酸値を下げて痛風を予防するためには、アルコールだけでなく、果糖を含む清涼飲料水の飲みすぎにも注意しましょう。

また、アルコールや清涼飲料水には糖質も含まれているため、過剰に摂取することで血糖値が上昇しやすくなります。

このように、糖尿病の予防という観点からも、アルコールや清涼飲料水の過剰な摂取は控えた方がよいでしょう。

(4)適正な体重を維持する

肥満は、尿酸が作り出されるのを促し、体の外に排出されることを抑えてしまいます。

そのため、肥満の状態を放置すると、尿酸が体の中に溜まりやすくなってしまうことに注意しましょう。

特にすでに肥満に陥っている場合には、減量を行うことによって適正体重を維持することが重要です。

肥満を改善することで、尿酸が作り出されてしまうことを抑え、尿酸値を下げる効果が期待できます。

具体的には、1日のカロリー摂取量を制限することが重要であり、以下のような基準で1日のカロリー量を定めます。

1日のカロリー摂取量の基準値

  • 1日のカロリー摂取量=標準体重×25~30kcal

また、上記のような尿酸の増加を抑えるような食品や食材を意識的にとることも行いましょう。

栄養素のバランスを意識することで、食習慣を改善し、減量することが可能です。

なお、肥満はインスリンのはたらきを妨げ、血糖値の上昇を招きやすくなります。

しかし、減量によって脂肪細胞の大きさを小さくすることで、インスリンのはたらきを改善する効果が期待できます。

そのため、肥満を改善することは、糖尿病の発症リスクを抑えることにもつながるのです。

(5)適度な運動量を確保する

食事の栄養素のバランスを整えても、エネルギーとして消費されなければ肥満を改善することにはつながりません。

そのため、食習慣を見直すとともに、適度な運動習慣を取り入れることも必要不可欠です。

具体的には、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を行うことがおすすめです。

なお、筋力トレーニングなどのレジスタンス運動は、呼吸をせずに無酸素状態で行うため、却って尿酸値を上昇させてしまいます。

また、激しい有酸素運動を行うと、脱水状態に陥ってしまい、尿量が減少することによって尿酸が体の中に溜まりやすくなることに注意が必要です。

そのため、1日に30分程度の軽い運動を心がけ、運動中もこまめな水分補給を行うようにしましょう。

適度な運動量を確保することで、筋肉が収縮する際にブドウ糖が消費され、血糖値を安定させる効果も期待できます。

また、脂肪を燃焼させて肥満を改善することで、インスリンのはたらきも改善するため、糖尿病を予防するためにも効果的といえるでしょう。

まとめ

本記事では、痛風と糖尿病が併発しやすい理由や痛風と糖尿病の双方を予防するためのポイントなどについて解説しました。

尿酸値と血糖値はお互いに影響を及ぼし合うことや痛風と糖尿病の発症原因に共通点があることなどが併発しやすい理由といえます。

尿酸値が高い状態を放置することで、痛風や糖尿病だけでなく、尿路結石や動脈硬化などの病気を引き起こすリスクが高まることにも注意が必要です。

特に尿酸値と血糖値のどちらかが基準値を超えている場合には、将来的に痛風や糖尿病を発症するリスクがあります。

そのため、なるべく早期に内分泌科などの専門の医療機関で精密検査を受けるようにしましょう。