
喫煙習慣が糖尿病に与える影響は?発症リスクが高まる理由やほかのリスク因子、禁煙するためのポイント
「喫煙の習慣が糖尿病の発症に影響を与える理由は?」
「糖尿病以外にどのような病気のリスクがあるのか知りたい」
「タバコをやめるためにはどのようなポイントを意識すべきなのか」
長い間タバコを吸うことが習慣となっている方の中には、喫煙と糖尿病の関係について、このような疑問をお持ちの方もいると思います。
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続くことで発症する病気です。
血糖値は、食後に最も高くなりますが、膵臓からインスリンというホルモンが放出され、ブドウ糖が細胞に取り込まれることで一定の水準にとどまります。
しかし、インスリンの量が低下したり、インスリンの量は十分であっても細胞へのはたらきが低下したりすると、ブドウ糖をうまく取り込むことができなくなってしまいます。
これによって血糖値が高い状態が続いてしまうと、糖尿病を発症してしまうのです。
インスリンの量が減少したりはたらきが弱められたりすることにはさまざまな原因がありますが、その中の1つに喫煙習慣があります。
そのため、習慣的にタバコを吸う方が健康診断などで血糖値が高いことを指摘された場合には、糖尿病を発症する一歩手前の場合やすでに糖尿病を発症している可能性もあるのです。
本記事では、喫煙の習慣が糖尿病の発症を引き起こす理由や喫煙によって発症リスクが高まるほかの病気について解説します。
なお、すでに糖尿病を発症している場合には、喫煙を続けることによって血糖値のコントロールが悪くなり、症状が悪化したり合併症が進行するリスクもあります。
そのため、喫煙の習慣がある場合には、糖尿病の発症リスクを抑えるだけでなく、糖尿病を発症した際に治療の効果を高めるためにも禁煙することが重要です。
本記事では、無理なく禁煙するためのポイントについても合わせて解説していますので、喫煙による病気のリスクを把握し、生活を改善させるための参考となれば幸いです。
1.喫煙によって糖尿病が引き起こされる原因

喫煙の習慣は、糖尿病の中でも2型糖尿病の発症リスクを高めることが知られています。
糖尿病には、その発症の原因によって1型と2型の分類があります。
このうち、2型糖尿病は糖尿病患者全体の約95%を占め、生活習慣の乱れや遺伝的要因などが複雑に影響を及ぼすことで発症します。

そのため、急激に発症するわけではなく、長い時間をかけて徐々に進行し、主に中年以降で発症することが多いです。
そして、喫煙の習慣が長ければ長いほど2型糖尿病の発症リスクも高まることになります。
国内の研究によると、喫煙の習慣がある人は、喫煙をしない人と比較すると、2型糖尿病の発症リスクが約1.4倍高まることが報告されていることに注意が必要です。
これは、タバコに含まれる成分が血糖値のコントロールに悪影響を及ぼすことに原因があります。
具体的には、以下の点です。
- 交感神経が刺激されることによる血糖値の上昇
- インスリン抵抗性が高まることによる血糖値の上昇
順にご説明します。
なお、血糖値が上昇することで見られる糖尿病の初期症状については、以下の記事で詳しく解説しています。
(1)交感神経が刺激されることによる血糖値の上昇
タバコには、ニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が多く含まれていることが知られています。
これらの成分のうち、ニコチンには交感神経を刺激するはたらきがあります。
交感神経は、体の活動を促進するはたらきがあり、主に心拍数の増加や血圧の上昇などを促します。
また、交感神経が刺激されると、血糖値を上昇させるアドレナリンというホルモンも放出され、これによって血糖値が上昇してしまうのです。

特に習慣的にタバコを吸っている場合には、交感神経が刺激され続け、アドレナリンが放出された状態が続くことになります。
そうすると、血糖値が高い状態が慢性的となり、体は血糖値を下げるために大量のインスリンを放出します。
これが繰り返されると、膵臓に大きな負担がかかり、インスリンの放出量が低下することで2型糖尿病を発症してしまうリスクが高まってしまうのです。
そのため、タバコを常習的に吸っている方で、血糖値が高いことや糖尿病予備群であることを指摘された場合には、喫煙を控える方がよいでしょう。
なお、糖尿病予備群は、糖尿病の境界型とも呼ばれ、糖尿病を発症する一歩手前であることを意味します。
この時点で適切な治療を行うことで、糖尿病を発症することを回避できる可能性が高いです。
糖尿病の境界型と診断される基準や指摘を受けた場合の適切な対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
(2)インスリン抵抗性が高まることによる血糖値の上昇
喫煙の習慣は、インスリン抵抗性を高めることも指摘されています。
インスリン抵抗性とは、細胞に対するインスリンのはたらきが弱められてしまうことです。
先ほども触れたように、インスリンには細胞にはたらきかけてブドウ糖を取り込ませる役割があります。

これによって、血液中のブドウ糖はエネルギーとして消費され、血糖値は正常な範囲に保たれることになります。
しかし、インスリン抵抗性が高まることで、細胞はブドウ糖をうまく取り込めなくなってしまい、血糖値が高いままとなってしまうのです。

なお、インスリン抵抗性が高まることで血糖値が安定しない状態が続くことで、血管や神経が徐々に傷つけられることになります。
特に糖尿病の治療中に喫煙を続けると、血糖値のコントロールが悪くなり、治療の効果が損なわれてしまうため、注意が必要です。
例えば、喫煙によるインスリン抵抗性の増大は、インスリン注射による治療の効果を妨げることが知られています。
これによって、インスリン注射の吸収が悪くなり、症状の進行や悪化を食い止めることが難しくなるケースがあるため、注意が必要です。
糖尿病が進行・悪化することでさまざまな病気を引き起こし、失明や手足の切断、腎機能の低下による人工透析などを余儀なくされるリスクも高まります。
また、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの病気を引き起こし、生命に関わることもあります。
このように、すでに糖尿病を発症した場合には、喫煙を続けることによるリスクが特に重大です。
そのため、直ちにタバコを控えることが最も大切といえるでしょう。
2.喫煙以外に糖尿病の発症に関わるリスク因子

すでに述べたように、糖尿病の中でも2型糖尿病は生活習慣の乱れなどによって引き起こされます。
そして、喫煙の習慣がある場合には血糖値が上昇しやすくなり、将来的に2型糖尿病の発症リスクが高まるのです。
もっとも、血糖値が上がりやすくなる生活習慣には、喫煙以外にもさまざまなものがあります。
具体的には、以下のような習慣やリスク因子が挙げられます。
- 運動不足
- 食べすぎ
- 肥満
- 過度な飲酒の習慣
- 加齢(特に中年以降)
- 家族の糖尿病歴
そのため、複数の因子が合わさることで2型糖尿病を発症する可能性も高められてしまうことに留意しましょう。
このように、喫煙の習慣だけでなく、これらのうちのいずれかにあてはまる場合には、生活習慣を改善する必要があるといえます。
なお、2型糖尿病のリスク因子に関連して健康診断などで注意すべき検査項目については、以下の記事も合わせてご覧ください。
(1)運動不足

運動不足の状態が続くことで、食事を通じて体の中に取り入れられたブドウ糖が適切に消費されなくなります。
そうすると、血液中にブドウ糖が残された状態となり、血糖値も上昇したままとなってしまいます。
特に運動不足の状態が長く続くと、筋肉量の低下も引き起こされることが多いです。
そして、インスリンは余分なブドウ糖を筋肉や脂肪などに蓄える役割も持ちます。
しかし、筋肉量が低下すると、余分なブドウ糖を蓄える場所がなくなってしまい、血液中に余分なブドウ糖が残された状態となってしまうのです。
これによって血糖値が高い状態が続くことも、糖尿病を発症するリスクが高まってしまう要因といえます。
特に運動不足の生活習慣に喫煙が合わさることで、血糖値が上昇しやすくなることに注意しましょう。
(2)食べすぎ

食べすぎは、摂取カロリーと栄養素のバランスを乱し、血糖値の上昇を引き起こしやすくなります。
特に炭水化物(糖質)に偏った食習慣や1日に欠食の習慣があるなどの食事のタイミングの乱れは、血糖値の変動をもたらします。
そうすると、インスリンの放出リズムにも乱れが生じ、膵臓に負担をかけてしまうことで徐々にインスリンの量が低下してしまうのです。
また、摂取カロリーが消費カロリーを上回った状態が続くことで、肥満に陥るリスクも高まります。
次に述べるように、肥満も2型糖尿病の発症に関わるため、食べすぎや栄養バランスの偏りを避けた食事を心がけることが大切です。
(3)肥満

肥満は、2型糖尿病を引き起こす最大の要因ともいわれています。
これは、肥満に伴う脂肪細胞の肥大化に原因があります。
脂肪細胞が大きくなると、インスリンのはたらきを妨げる物質が放出されるようになります。
これによって、インスリン抵抗性が高まり、血糖値が下がりにくくなってしまうのです。
なお、肥満はBMIという指標によって参照されますが、BMI値が標準である場合であっても安心はできません。
肥満には皮下脂肪型と内臓脂肪型の2つがあり、内臓脂肪型の方が2型糖尿病のリスクを高めることが知られています。
しかし、BMI値だけでは内臓脂肪型かどうかを判断することが難しいケースもあり、BMI値が標準であっても内臓脂肪が蓄積されていることもあります。
そのため、肥満のリスクを適切に把握するためには、BMI値と体脂肪率を確認することが大切です。
(4)過度な飲酒の習慣

過度な飲酒の習慣も2型糖尿病の発症を高める可能性があるため、注意が必要です。
これは、アルコールには糖類が多く含まれていることに理由があります。
そのため、過度にお酒を飲むと血糖値が上昇しやすくなるのです。
また、習慣的にお酒を飲むことで、血糖値が高い状態のままとなることも2型糖尿病の発症リスクを高めることに留意しましょう。
なお、飲酒によって血糖値が上がりやすくなるのは、糖質を多く含むおつまみを一緒に摂取していることと関係しているケースもあります。
さらに、アルコールを過剰に摂取することで肝臓で中性脂肪が大量に作られてしまい、このことが肥満を引き起こすことがある点にも注意が必要です。
これによってインスリン抵抗性が高まってしまうこともあり、喫煙と飲酒の両方の習慣がある場合には、禁煙や禁酒を心がけましょう。
(5)加齢(特に中年以降)

加齢も2型糖尿病の発症リスクを高める要因の1つとして知られています。
これは、加齢によって膵臓のはたらきが低下し、インスリンの量も減ってしまうことに理由があります。
インスリンの放出量が減少すると、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれなくなってしまい、血糖値が高い状態が続いてしまいます。
また、加齢によって筋肉量が低下することも慢性的な高血糖につながることがあるのです。
そのため、インスリン量の低下にインスリン抵抗性が加わることが2型糖尿病を引き起こしているということもできます。
特に長い間にわたって喫煙習慣がある場合には、加齢によるインスリンの量の低下が加わることで、さらに2型糖尿病のリスクが高まります。
(6)家族の糖尿病歴

2型糖尿病の発症には、遺伝的な要因が関係しているという研究もあります。
特にインスリンの放出量については、欧米人と比較すると東アジアの人では遺伝的に少ないという報告もあります。
また、親族や家族に2型糖尿病の病歴を持つ人がいる場合には、発症リスクが高まることも知られています。
具体的には、両親とも2型糖尿病の病歴がある場合には、その子どもが糖尿病になる確率は40~50%であるという報告もあるのです。
もっとも、遺伝的要因のみによって決まるわけではなく、喫煙習慣のほかにも上記で述べた要因が複雑に関連することで2型糖尿病の発症に至ります。
しかし、膵臓から放出されるインスリンの量が遺伝的に少ないことが糖尿病を発症しやすい体質に影響を与えている可能性があることには注意しましょう。
3.喫煙習慣によって引き起こされるほかの病気

タバコを吸う習慣は、2型糖尿病の発症リスクを高めるほか、以下のような病気のリスクも高めることが指摘されています。
- 動脈硬化
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- がん
これらの病気は、放置することで生命に関わる重篤なものがほとんどです。
また、糖尿病によって引き起こされるケースがあることも知られています。
そのため、喫煙が習慣化している方が心臓などに違和感を覚えた場合には、すでに糖尿病を発症している可能性もあります。
喫煙の習慣がある方や血糖値が高いことを指摘されたことがある場合には、なるべく早期に内分泌科などで精密検査を受けることがおすすめです。
(1)動脈硬化
動脈硬化は、太い血管である動脈の内部にコレステロールなどの物質が沈着し、血管がしなやかさを失った状態です。

タバコを習慣的に吸っていると、血液がドロドロになってしまいます。
これは、タバコに含まれる一酸化炭素が血液中の赤血球と結びつくことに理由があります。
赤血球は体の細胞に酸素や栄養素を運ぶはたらきがあるため、一酸化炭素と結びついてしまうことで、酸素などを運ぶことができなくなってしまいます。
そうすると、体は細胞に必要な酸素を届けるために赤血球をさらに作り出し、これによって血液がドロドロになってしまうのです。
また、タバコに含まれるニコチンには交感神経を刺激するはたらきがあり、心拍数の増加や血圧の上昇も起こります。
これらが加わることによって、動脈の内側が傷つけられてしまい、動脈硬化が進行してしまうのです。
なお、動脈硬化は目立った自覚症状が現れることは少なく、本人も気づかないうちに進行・悪化してしまうケースがほとんどといえます。
放置することで、次に述べる狭心症や心筋梗塞などの病気を引き起こす可能性が高まるため、注意が必要です。
(2)狭心症
動脈硬化が進行すると、狭心症を引き起こすリスクが高まってしまいます。
狭心症は、心臓の動脈(冠動脈)が細くなり、心臓の筋肉(心筋)などに十分な量の酸素や栄養素を運ぶことができなくなる病気です。
主に動悸や息切れ、胸の苦しさなどの症状が見られます。
胸の苦しさや圧迫感は数分から15分程度続くことが多いですが、安静にすることで次第に軽快する点に特徴があります。
狭心症は動脈硬化のほかにも、高血圧やストレスなどの要因が関わることで発症するリスクが高まることが知られています。
特にタバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、血圧の上昇を引き起こします。
そのため、喫煙によって動脈硬化の進行だけでなく、高血圧も引き起こされることが狭心症の発症リスクを高めることにつながるといえるでしょう。
早期発見ができれば、血管を広げる薬の投与による薬物療法や手術療法によって治療を行うことが可能です。
しかし、症状を放置することで狭心症が悪化すると、心筋梗塞を引き起こすリスクも高まります。
(3)心筋梗塞
心筋梗塞も動脈硬化が進行することで引き起こされる病気です。
心臓の冠動脈の内部に血栓という血の塊ができ、これが血管を塞いでしまうことで、心筋に酸素や栄養素が送られなくなってしまいます。

そうすると、心筋が壊死してしまい、激しい胸の痛みや動悸、吐き気などの症状が現れます。
特に胸の痛みは安静にしてもおさまらず、場合によっては30分以上にわたって続くことがあるため、不安感を伴うことも多いといえます。
狭心症との違いは、血管内部の状態です。
先ほども述べたように、狭心症では冠動脈の内部がコレステロールなどの沈着によって細くなっているものの、完全には塞がれていません。
これに対して、心筋梗塞の場合には血管内部が完全に塞がれてしまい、血液の流れが遮られた状態になっています。
心筋は一度壊死してしまうと、もとの状態に戻すことはできません。
そのため、壊死の部分が広がると、心筋のはたらきが停止してしまい、全身に血液を送ることができなくなることで死に至ることもあります。
心筋梗塞は、動脈硬化や肥満、高血圧などによってリスクが高まることが知られています。
また、喫煙による高血圧や糖尿病によって引き起こされることもあり、ストレスや気温の急激な変化などによって心臓に負荷がかかることも影響を与えるケースがあるのです。
(4)脳卒中
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで発症する病気です。
脳の血管が詰まることで生じるものを脳梗塞といい、脳の血管が破れることを脳出血といいます。

主に動脈硬化に高血圧が加わることで生じやすくなります。
特に喫煙の習慣がある場合には、動脈硬化と高血圧が生じやすくなり、このことも脳卒中のリスクが高まる原因の1つです。
脳梗塞では、血管が詰まることで血液の流れが滞り、脳細胞に酸素や栄養素が運ばれなくなってしまいます。
これによって脳細胞がダメージを受けると、手足の痺れや麻痺などの運動障害のほか、呂律が回らなくなるなどの言語障害などが生じることがあります。
これに対して、脳出血は血管が破れることで血液が溜まり、脳を圧迫してしまうのです。
そうすると、圧迫された脳細胞が壊死してしまい、強い頭痛や吐き気、嘔吐、体の片側の麻痺などの症状が現れます。
壊死した脳細胞はもとに戻すことはできないため、症状を放置することで壊死の部分が広がり、運動機能や言語機能が失われてしまうなど、重篤な後遺症が残るリスクがあります。
また、脳卒中では上記のような症状が突然現れることが多いため、手足の麻痺や呂律が回らない状態などが急に見られる場合には、直ちに脳外科などの医療機関を受診することが重要です。
(5)がん
喫煙習慣は、がんの発症リスクを高めることがさまざまな研究から明らかになっています。
その影響は消化器を中心として、以下のようながんのリスクを高める点に注意が必要です。
- 口腔・咽頭がん
- 食道がん
- 肺がん
- 肝臓がん
- 胃がん
- 膵臓がん
- 子宮頸がん
- 膀胱がん など
これは、タバコには発がん性物質が含まれており、長期間にわたって喫煙を続けることで、がん細胞の成長が促されることに理由があるとされています。
また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすリスクが高まることも指摘されています。
さらに、喫煙の習慣はがん治療の効果を低下させ、がんの再発を促すリスクが高まることにも注意が必要です。
なお、がんは糖尿病を原因として引き起こされることも判明しています。
特にがんの中でも膵臓がんは、糖尿病に合併しやすいことが知られており、膵臓がんを原因として糖尿病が引き起こされるケースもあるのです。
糖尿病に膵臓がんが合併しやすい理由やメカニズムについては、以下の記事も参考になります。
4.禁煙を成功させるためのポイント

喫煙の習慣が長ければ長いほど、糖尿病やほかの病気を発症するリスクが高まることに注意が必要です。
そのため、タバコを習慣的に吸っている場合には、禁煙をすることで糖尿病などの病気を予防することにつながります。
また、喫煙者が禁煙をすることによって、糖尿病の発症リスクを30〜40%抑えることができるという研究もあります。
これは、禁煙することで交感神経への刺激を軽減し、血糖値の上昇を抑えることができるからです。
また、インスリン抵抗性を改善して血糖値を安定させることができる点にも理由があるといえます。
このほか、1年間にわたって禁煙をすることで、心筋梗塞などの心疾患の発症リスクが喫煙者と比較して約50%低下することも報告されています。
このように、タバコをやめることにはさまざまなメリットがあります。
もっとも、禁煙に取り組むためには、事前準備と長期にわたって継続することが求められます。
禁煙を成功させるためには、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 専門の医療機関を受診する
- 禁煙補助薬などを活用しながら禁煙する
- タバコを吸いたくなった場合の対処法を見つける
順に解説します。
(1)専門の医療機関を受診する
禁煙は、自分で始めることもできますが、離脱症状(頭痛や倦怠感、集中力の低下など)によってうまく禁煙することができないケースも少なくありません。
また、紙巻タバコの代わりにニコチンを含まない電子タバコを吸うことは禁煙効果がなく、ニコチン以外に含まれる有害物質による影響も考えられます。
このように、自分で禁煙を行うことには、失敗や誤った知識のもとに進めてしまうリスクがあることに注意が必要です。
そのため、禁煙を成功させたい場合には、禁煙外来などの専門の医療機関を受診することがおすすめです。
禁煙外来などでは、自分に合った治療法によって禁煙し、タバコをやめることができる可能性が高まります。
(2)禁煙補助薬などを活用しながら禁煙する
禁煙を始めると、タバコを吸わないことによる離脱症状が現れることが多いです。
具体的には、集中力の低下や怒りっぽくなること、頭痛、倦怠感などが挙げられます。
そのような場合には、禁煙補助薬などを使うことで、離脱症状を和らげながら禁煙治療を続けることが可能です。
禁煙補助薬には、皮膚からニコチンを吸収させるタイプのものや口腔粘膜からニコチンを吸収させるものなどがあります。
これらは薬局などでも購入することができるため、うまく活用しながら禁煙を進めることも検討しましょう。
もっとも、禁煙補助薬には頭痛やめまい、胃の不調などの副作用が見られることもあります。
そのため、用法・用量をしっかりと守って使用することが最も重要です。
なお、禁煙外来を受診することで、禁煙補助薬の処方を受けることができる場合もあります。
安全性を考慮に入れながらタバコをやめるためにも、専門の医療機関を受診し、医師の指示を仰ぐことが望ましいでしょう。
(3)タバコを吸いたくなった場合の対処法を見つける
禁煙を始めて数日が経過すると、離脱症状なども相まって、タバコを吸いたくなることもあるでしょう。
しかし、それを理由にタバコを吸ってしまうと、せっかく始めた禁煙も失敗してしまいます。
特に長い期間にわたって喫煙が習慣になっていた人が禁煙を始めると、強いストレスなどの精神的負荷がかかることが考えられます。
ストレスがかかると、体の中ではストレスホルモンという物質が放出され、却って血糖値が上がりやすくなることにも注意が必要です。
そのため、離脱症状が現れた場合やタバコを吸いたくなった場合に備えて、あらかじめ対処法を見つけておくようにしましょう。
例えば、タバコの代わりにノンシュガーの飴やガムなどをうまく活用してタバコを吸いたい気分を抑えることなどが考えられます。
また、家の周りを散歩したり部屋の掃除や家事に取り組んだり、体を動かすことで気分転換を図りつつ、血糖値を下げる工夫をすることもおすすめです。
このように、自分に合った方法で禁煙を続けることで、健康的な生活を送ることができます。
まとめ
本記事では、喫煙の習慣が糖尿病の発症に関わる理由や喫煙習慣によって引き起こされるほかの病気などについて解説しました。
タバコを吸い続けることで、2型糖尿病の発症リスクが高まるだけでなく、糖尿病の治療効果に悪影響を及ぼすことがあります。
また、タバコにはさまざまな有害物質が含まれており、動脈硬化や心筋梗塞、がんなどの病気を引き起こす可能性があるのです。
そのため、禁煙を行うことが糖尿病をはじめとする病気を予防するためにも大切といえるでしょう。
糖尿病はさまざまな要因が関係することによって、徐々に進行・悪化する病気です。
喫煙の習慣があり、健康診断などで血糖値が高いことを指摘されている場合には、将来的に2型糖尿病を発症する可能性もあります。
そのため、自身の生活習慣を見直し、健康的な日々を送るためにも、まずは内分泌科などで精密検査を受けることを検討しましょう。




