
橋本病と喫煙の関係は?生活習慣上の注意点や禁煙を成功させるポイント
「喫煙の習慣があると橋本病にどのような影響がある?」
「橋本病の症状を悪化させないために日常生活で注意すべきポイントが知りたい」
橋本病は慢性甲状腺炎(自己免疫性甲状腺炎)であり、甲状腺機能は正常のこともありますが、経過中に甲状腺機能低下症へ進み、さまざまな症状を引き起こします。
甲状腺ホルモンは、エネルギー代謝(熱を作り出すことや栄養素の分解・吸収)や心臓・血管のはたらきを維持・調整する役割を持つホルモンです。
そのため、橋本病を発症すると、これらの活動が停滞し、息切れや疲れやすさ、発汗量の低下と肌の乾燥、代謝の低下による体重の増加などが見られることがあります。
そして、橋本病を発症した場合には、喫煙習慣が加わることで、症状に影響を及ぼす可能性が高まることにも注意が必要です。
本記事では、喫煙習慣が橋本病に与える影響や症状を悪化させないために意識したい生活習慣のポイントなどについて解説します。
喫煙の習慣は、橋本病だけでなく、さまざまな病気の発症・悪化にも関わるため、健康上のリスクを避けるためにも禁煙に取り組むことが重要です。
禁煙を成功させるためのポイントや専門の診療科である禁煙外来についてもあわせて解説しますので、禁煙に取り組むためのきっかけとなれば幸いです。
1.橋本病と喫煙習慣の関係

橋本病は、免疫の異常により、甲状腺の組織を免疫細胞が攻撃してしまうことで引き起こされる病気です。
免疫細胞が甲状腺の組織を攻撃すると慢性的な炎症が見られるため、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。
甲状腺の組織が破壊されることで、徐々に甲状腺ホルモンの量が低下することがありますが、甲状腺機能の低下を伴わない症例も多いです。
例えば、橋本病と診断された人のうち、甲状腺ホルモン薬による治療が必要となるのは4~5人に1人程度とされています。
そのため、橋本病の診断を受けた70~80%ほどは治療を要しないという研究もあります。
しかし、橋本病の診断を受けた場合、そこに喫煙の習慣が加わることで、以下のような影響が生じる可能性があります。
- 甲状腺機能低下症に移行するリスクが高まる
- 甲状腺機能亢進症を引き起こすリスクが高まる
- 動脈硬化が進行する可能性がある
それぞれについて解説します。
(1)甲状腺機能低下症に移行するリスクが高まる
橋本病は、甲状腺の機能が低下してしまう「甲状腺機能低下症」を引き起こす原因となる病気です。
もっとも、先ほども述べたように、橋本病のすべての症例で甲状腺機能が低下するわけではありません。
特に甲状腺に生じる炎症が軽度であり、甲状腺ホルモンの低下が見られない症例では、経過観察にとどまり、特別な治療を必要としないケースもあります。
しかし、喫煙の習慣は、甲状腺機能や免疫に影響する可能性が報告されています。
これは、タバコに含まれる物質が甲状腺ホルモンの合成を妨げるはたらきを持っていることに理由があります。
中でも、シアン化水素やチオシアン酸塩などの物質は、甲状腺ホルモンを作り出す甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)という酵素のはたらきを妨げることが知られています。
そのため、橋本病を発症した後に喫煙を続けると、甲状腺機能が低下してしまい、息切れや倦怠感、寒さに敏感になるなどの症状が現れたり悪化したりする可能性が高まります。

橋本病と診断を受けたものの、目立った症状が現れていない場合であっても、喫煙を続けることにはリスクが伴うことに注意が必要です。
また、心血管疾患など全身の健康リスクを高めるため、橋本病の有無に関わらず禁煙が推奨されます。
甲状腺機能低下症の詳細については、以下の記事もあわせてご覧ください。
(2)甲状腺機能亢進症を引き起こすリスクが高まる
喫煙はバセドウ病などの甲状腺機能亢進症の発症リスクを高め、甲状腺眼症との関連が報告されています。
また、橋本病とバセドウ病はいずれも自己免疫性甲状腺疾患であり、経過中に橋本病からバセドウ病へと病態が変化することもあります。
バセドウ病は、免疫機能の異常によって自己抗体が甲状腺の甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体を刺激し続け、甲状腺ホルモンが過剰に放出されてしまう病気です。
これによって、全身のはたらきが通常よりも高められてしまい、動悸や息切れ、手指の震え、発汗量の増加、代謝の向上による体重の減少などが見られることがあります。

国内外の研究では、橋本病の症例のうち約1~3%程度がバセドウ病に移行し、バセドウ病の約3~15%は橋本病からの移行であるというデータもあります。
そして、橋本病からバセドウ病への移行は、喫煙習慣や出産後の甲状腺炎によって引き起こされるリスクが高いです。
これは、タバコに含まれる物質が免疫の異常を引き起こし、バセドウ病を発症するトリガーとなっている可能性が指摘されています。
なお、喫煙の習慣は、橋本病の基礎疾患がない場合でも、バセドウ病に影響を与えることがこれまでの研究でも明らかとなっています。
バセドウ病と喫煙習慣の関係や治療上の注意点などについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
(3)動脈硬化が進行する可能性がある
橋本病に喫煙習慣が加わることで、動脈硬化が進行するリスクが高まることにも注意しましょう。
喫煙の習慣は、橋本病の有無に関わらず、独立して動脈硬化を引き起こす可能性が高まることが知られています。
これは、タバコに含まれる活性酸素と呼ばれる物質が原因です。
活性酸素はタバコの煙に含まれる有害物質の酸化反応や炎症過程で体の中で生じる化学的に不安定な分子群であり、細胞と結びつきやすい性質があります。
そして、活性酸素が動脈内部の組織に結合すると、その細胞を傷つけてしまうのです。
なお、甲状腺ホルモンには脂質の分解・吸収を促すはたらきがありますが、橋本病では甲状腺ホルモンの量が低下するため、脂質の分解・吸収が滞ってしまいます。
これによって血液中の脂質の濃度が上昇することがあり、コレステロールなどが傷ついた動脈内部の組織に沈着することで、動脈硬化が進行・悪化するリスクがあるのです。
このように、喫煙習慣と橋本病によるエネルギー代謝の異常で、動脈硬化の進行が促される可能性が高まり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などのリスクも高まることがあります。
2.橋本病を悪化させないための生活の注意点

すでに述べたように、橋本病と診断された場合でも、甲状腺機能の低下を伴わない症例もあります。
しかし、喫煙の習慣が加わることで、甲状腺機能の低下を招いたり、症状を悪化させたりする可能性があることに注意が必要です。
また、橋本病の治療中や経過観察中には、以下のポイントを意識することも大切です。
- バランスのよい食習慣を心がける
- 適度な運動に取り組む
- 定期的に血液検査などを受ける
- 喫煙習慣がある場合には禁煙する
なお、橋本病をはじめとする甲状腺の病気は、現れている症状(自覚症状)の問診のほか、血液検査の結果も踏まえて診断が下されます。
甲状腺の病気が疑われる場合に実施される血液検査の項目や診断基準については、以下の記事も参考になります。
(1)バランスのよい食習慣を心がける

甲状腺ホルモンは、脂質や糖質の分解・吸収を促すはたらきがあります。
しかし、橋本病では甲状腺ホルモンのバランスが崩れることで、これらのエネルギー代謝に異常が生じることもあります。
そのため、栄養素のバランスを整えることが大切です。
特に主食・主菜・副菜のバランスが崩れると、エネルギー代謝の低下も相まって、肥満につながることがあります。
また、栄養素のバランスが崩れることで、甲状腺のはたらきに悪影響を及ぼす可能性があることにも注意しましょう。
このほか、ビタミンやミネラルなどの栄養素も意識的に摂取することが大切です。
例えば、魚介類や豆類などに含まれる亜鉛には、甲状腺のはたらきをサポートする効果があることが知られています。
なお、橋本病と診断された場合には、ヨウ素(ヨード)の過剰摂取には注意を払わなければなりません。
ヨウ素(ヨード)は甲状腺ホルモンを作り出す材料となる重要な栄養素であり、昆布やわかめなどの海藻類に豊富に含まれています。
そのため、ヨウ素(ヨード)が欠乏することによって橋本病や甲状腺機能低下症を引き起こすリスクが高まります。
もっとも、海藻類などを多く摂取する傾向がある我が国ではヨウ素(ヨード)欠乏を引き起こすことは稀です。
そして、過剰に摂取することで却ってヨウ素(ヨード)が甲状腺に取り込まれることが妨げられ、甲状腺ホルモンの合成に悪影響を及ぼす可能性があります。
通常の食事量では問題となることはありませんが、昆布だしを使った料理を頻繁に食べる場合やヨウ素(ヨード)を含むサプリメントを常用している場合には注意が必要です。
そのような場合には、使用の回数や頻度を調整、または一時的に使用を控えるなどの工夫も必要でしょう。
(2)適度な運動に取り組む

甲状腺機能の低下を伴わない場合や症状が強く現れていない場合には、適度な運動に取り組むことで、基礎代謝の維持を図ることも大切です。
基礎代謝とは、呼吸や心拍数の維持・調整など、私たちが無意識的に行っている活動に関するエネルギー消費を指します。
甲状腺ホルモンの量が低下することで基礎代謝も低下してしまいますが、甲状腺のはたらきが正常な場合や症状が強くない場合には、運動に取り組むことに問題はありません。
適度な運動に取り組むことで、基礎代謝を維持し、甲状腺のはたらきを保つ効果が期待できます。
もっとも、体調にあわせて無理のない範囲で取り組むことが大切です。
特に甲状腺のはたらきが徐々に低下すると、基礎代謝も低下してしまい、血行の悪化による筋肉の強張りなどが生じることもあり、無理に運動することで怪我の原因にもなります。
そのため、激しい運動を継続的に行うよりも、軽いウォーキングや散歩、ストレッチなどを週に2~3回程度の頻度で行うことを意識しましょう。
(3)定期的に血液検査などを受ける

経過観察や治療の過程でも、甲状腺ホルモンのバランスが崩れ、症状が現れ始めたり悪化したりする可能性があります。
しかし、症状の現れ方や感じ方は人によっても異なり、自覚症状だけでは甲状腺の機能を評価することは難しいです。
そのため、治療中や経過観察中には、定期的に通院の上で血液検査を受け、甲状腺の機能を把握することに努めましょう。
また、経過観察や治療の途中で意図しない体重の増加やむくみ、意欲の低下などの症状が見られる場合には、甲状腺ホルモンのバランスが崩れている可能性があります。
日常生活の中で原因の分からない不調が現れるようになった場合にも、まずは内分泌科などを受診して診察や検査を受けることが大切です。
(4)喫煙習慣がある場合には禁煙する

喫煙の習慣は、橋本病を悪化させたり、バセドウ病や動脈硬化のリスクを高めたりするなど、治療の経過で悪影響を及ぼすことが指摘されています。
そのため、喫煙習慣がある場合には、症状の悪化を防ぐためにも禁煙に取り組むことが重要です。
禁煙を成功させるためには、正しいステップを意識しましょう。
具体的には、事前に禁煙する日を決め、その1週間前からさまざまな準備を進めます。
禁煙に取り組んでいると、タバコを吸いたくなる瞬間が訪れることがあるため、禁煙を開始するまでの準備期間中に喫煙具類の処分などを行うことも大切です。
もっとも、自力では禁煙に成功するかどうか不安に思う方も多いです。
また、これまでにもタバコをやめようとしてきたものの、失敗してしまったことがある方は禁煙しても再び失敗してしまうと考える方も少なくありません。
そのような場合には、禁煙外来を受診し、医師のサポートを受けながら禁煙に取り組むことがおすすめです。
3.禁煙外来で治療を受ける流れ

喫煙が習慣化している場合には、タバコをやめたくてもやめられないことが少なくありません。
これは、タバコに含まれるニコチンに強い依存作用があるからです。
実際、自力で禁煙に取り組んだ人の中で禁煙に成功した率は10%に満たないともいわれており、ニコチンへの依存のほかにも習慣的な依存や心理的な依存なども影響を与えています。
しかし、禁煙外来を受診して専門的な治療を受けることで、自力で取り組む場合と比較すると、禁煙を成功させる確率を高めることができます。
禁煙外来は、ニコチン依存症に対して医師の診察・カウンセリング・禁煙補助薬を用いて禁煙を支援する外来です。
具体的には、以下の流れで治療を進めることになります。
- 初診日に問診・検査を受ける
- 治療の開始・2回目の診察を受ける
- 2週間後に3回目の診察を受ける
- 4週間後に4回目の診察を受ける
- 4週間後に5回目(最後)の診察を受ける
禁煙外来での治療は、12週間で5回通院することで終了します。
そのため、約3か月程度で禁煙を成功させることが可能です。
(1)初診日に問診・検査を受ける
初診日には、問診を通して、禁煙についての意思や喫煙の状況(喫煙歴、1日のタバコの本数など)を確認します。
禁煙外来は、禁煙する意思があれば受診することができますが、以下の条件を満たすことで、治療に健康保険が適用されます。
- 直ちに禁煙しようとしている
- ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)が5点以上
- 35歳以上の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
- 禁煙治療を受けることを文書により同意している
ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)では、以下の事項に答えることで評価を行います。
| 設問事項 | はい (1点) |
いいえ (0点) |
| 自分が吸うよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか | ||
| 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか | ||
| 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコが欲しくてたまらなくなることがありましたか | ||
| 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか (イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、憂うつ、頭痛眠気、胃のむかつき、脈が遅い、食欲または体重の増加) |
||
| 上記の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか | ||
| 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか | ||
| タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか | ||
| タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか | ||
| 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか | ||
| タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか |
「はい」と答えた設問が5つ以上ある場合には、保険適用の条件を満たします。
なお、35歳以上の場合には、これに加えてブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上となることが必要です。
例えば、1日に15本のタバコを吸う生活が15年続いている場合には、15×15=300となり、保険が適用されることになります。
条件を満たさない場合には保険が適用されませんが、自由診療として禁煙治療を受けることが可能です。
また、問診とあわせて、呼気に含まれる一酸化炭素濃度も測定します。
測定結果は、以下のような数値の幅によって評価することが可能です。
| 一酸化炭素濃度(単位:ppm) | 評価 |
| 0~6 | 非喫煙者 |
| 7~10 | 低頻度の喫煙者 |
| 11~15 | 喫煙者 |
| 16~25 | 頻繁にタバコを吸う喫煙者 |
| 26~35 | 常習的な喫煙者 |
| 36~50 | 極めて常習的な喫煙者 |
| 51以上 | 危険なほど常習的な喫煙者 |
これによって、喫煙量や喫煙の状況を客観的に把握することができ、検査結果をもとに一人ひとりにあわせた治療方針を決定します。
また、禁煙を始めるにあたって主治医からアドバイスを受けたり禁煙補助薬の処方を受けたりすることも可能です。
主治医と相談しながら禁煙開始日を設定し、禁煙補助薬も使いながら実行しましょう。
(2)治療の開始・2回目の診察を受ける
主治医から処方された禁煙補助薬なども使用・服用しながら禁煙を開始します。
禁煙補助薬には、以下のようなものがあります。
| 禁煙補助薬の種類 | 特徴 |
| ニコチン製剤(ニコチンパッチ) | 皮膚からニコチンを吸収させ、禁煙による離脱症状(イライラや不安感)などを和らげる |
| バレニクリン酒石酸塩 | ニコチンの代わりに中枢神経に作用してニコチンのはたらきを阻害し、喫煙による満足感を減退させる |
ニコチン製剤(ニコチンパッチ)は、禁煙を開始した日から使用を始めます。
特に喫煙本数が多い「ヘビースモーカー」に効果が見られることが知られており、タバコを吸いたくなったタイミングで上腕部や腹部などに貼り、皮膚からニコチンを吸収させます。
これに対して、バレニクリン酒石酸塩は飲み薬であり、禁煙を開始する1週間前から服用し始め、服用8日目で禁煙します。
ニコチン製剤(ニコチンパッチ)とは異なり、薬の成分にニコチンを含んでいない点に特徴がある薬です。
また、初診日から2週間後には2回目の通院による診察を受けることになります。
呼気の一酸化炭素濃度の測定や禁煙の状況などについて問診が行われるため、不安な点や悩みなどがあれば主治医に相談・共有するようにしましょう。
(3)2週間後に3回目の診察を受ける
2回目の通院から2週間後(初診日から4週間後)には3回目の通院日が設定されます。
検査や問診の内容は2回目の診察と大きくは変わりませんが、離脱症状の有無や内容についても問診が行われます。
特に禁煙を開始してから数日後に離脱症状が現れることが多く、イライラや頭痛、吐き気などが見られることが多いです。
離脱症状に対しては、禁煙補助薬を用いると同時に適切な対策を講じることが大切です。
例えば、ノンシュガーの飴やガムを活用したり散歩などの軽い運動に取り組んだりして、うまく気分転換するようにしましょう。
禁煙による離脱症状は、タバコをやめてから2~3日でピークを迎え、1~2週間ほどで徐々に症状が落ち着いていく傾向にあります。
もっとも、離脱症状が落ち着いた状態になったときに油断してタバコを吸うと禁煙に失敗してしまうため、主治医からアドバイスを受けて引き続き禁煙に取り組むことが重要です。
(4)4週間後に4回目の診察を受ける
3回目の通院から4週間が経過した後(初診日から8週間後)には4回目の通院による診察があります。
なお、禁煙補助薬のうち、ニコチン製剤(ニコチンパッチ)の処方を受けている場合には、8週間で使用が終了します。
そのため、9週目以降は何も貼らない状態で禁煙を続けることが必要です。
これに対して、バレニクリン酒石酸塩は治療期間中の12週間は服用を続ける必要があります。
なお、バレニクリン酒石酸塩の服用中には、吐き気や眠気などの副作用が生じることも少なくありません。
そのため、禁煙期間中にこれらの症状が現れた場合には、主治医に相談した上で状況に応じて、薬の中断や減量などについて指示を受けるようにしましょう。
(5)4週間後に5回目(最後)の診察を受ける
4回目の通院からさらに4週間後に最後の診察を受けます。
呼気の一酸化炭素濃度や治療の経過などから禁煙に成功していると主治医が判断した場合には、この時点で禁煙治療が終了します。
また、今後も禁煙を続けるための生活の注意点などについてもアドバイスを受けることが可能です。
まとめ
本記事では、喫煙の習慣が橋本病に与える影響や橋本病の症状を悪化させないためのポイントなどについて解説しました。
橋本病を発症しても、直ちに甲状腺機能が低下するわけではありませんが、喫煙の習慣がある場合、橋本病と診断されてもタバコを吸い続けると、甲状腺機能に異常が生じる可能性があります。
これによって症状が悪化したり合併症の発症リスクが高まったりすることがあるため、注意が必要です。
橋本病と診断された場合には、甲状腺機能に注意を払うとともに、喫煙習慣がある場合には禁煙することが重要です。
しかし、タバコには依存性があり、自力で禁煙に取り組んでも失敗してしまうことが少なくありません。
そのような場合には、禁煙治療を専門とする禁煙外来を受診し、適切な治療を受けることで、無理なく禁煙に成功する可能性を高めることができます。
今まで禁煙に取り組み、失敗してしまった方でも、お近くの禁煙外来を受診し、専門的な治療やサポートを受けることがおすすめです。


